××倶楽部
ミーナ様は憤慨したように社長の胸ぐらを掴むと、ぐらぐらと揺すった。
「わっ、あ、危ないんですってばぁ! ミーナさぁん!」
「昨日、早退しろって言ったのリオだよな? 芽依を監視しろって言ったのリオだよな?」
まさかの仲間割れ?
「だから僕は止めたじゃないですかぁ! 芽依に監視なんて必要ないんですよ。これはミーナさんの責任でもあります。僕は仕事にシビアなミーナさんの方が好きですよ」
社長はツンと横を向くと、軍手をはめてハシゴを立てかけた。
「非情にみえるかもしれませんが、規則なので……」
よろけながらハシゴをのぼった社長の後ろでミーナさんは、ハメられた……、と呟いた。