××倶楽部
「あ、でもミーナ様来てくれて楽しかったですよ! お喋りたくさんできて、雫さんも喜んでましたし! また今日から頑張ればいいじゃないですかぁ。ね、ミーナ様」
って、なんで私が励ましてるんだろう。
元はといえば、ミーナ様は私と社長を別れさせるために早退して、うちに乗り込んできたのに。
「いいよ、芽依。リオって、そういう奴だからさ」
肩を落としてマーベラスに入っていくミーナ様を追いかけた。
「そういう……って、どういうことですか?」
「リオは、結局なんでも自分の思い通りにしちまうんだよな……。そのためには、手段を選ばないようなとこがあるから。あたしが芽依に嫉妬させるように、わざとあんな茶番劇したのかもな」
「な? てことは昨日のあれは、リオ様は私を責めるためじゃなくミーナ様を早退させる理由をつくるためってことですか?」
り、リオ様ぁ……コワい。実はナンバーワンを奪われたのを根に持ってたってこと?
でも、そうすると社長と私に嫉妬してあんなことをしたわけじゃない……ってことにもなる。
「ま、芽依を責めたい気持ちもあったんだろうけど。あたしもバカだった。芽依も気をつけろよ」