××倶楽部

「き、き、気をつけるって、私絶対無理ですよぅ……どうしたらいいですか?」


「だから、別れれば何もされないって。リオは、聖夜を自分の所有物だと思ってんだろうから、絶対に勝手な真似は許さないはずだ」


「ひ、ひぇ……」


 ビクッと肩を震わせた。その肩を、大きな手がそっと包み込んでくれた。


「社長……」

「僕は所有物じゃないですよ。自由です。リオさんは、嫉妬したわけじゃない。ただ、自分の地位を取り戻しただけ」


 優しい声と耳たぶにキスで、背骨が溶けてぐにゃりとした軟体動物にさせられてしまう。

 ほら、しっかりして仕事ですよ。と肩を叩かれ、うん、と頷いた。


「ミーナさんも頑張ってください。チャンスはまだまだたくさんありますから」



 その横顔は、優しいのに凛としていて、やっぱり何度見てもカッコいい。

 ミーナ様はため息を吐き出すと、自分の部屋に籠もってしまった。




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