××倶楽部

 スミレ様と社長の会話は、臍ピアス問題ではなくて最近スミレ様につきまとっているストーカーの話みたいだ。

 マーベラスの女王様たちは、皆様美人ばかりだから、たまにそういう事があるらしい。


「でも、マサキさんが来てくれると安心」


「そうですか。しばらく彼にはスミレさんのボディーガードしてもらいますね。ハヅキさんにも了解を得ておきます」


「うん、聖夜大好き!」


 まただ、見ちゃいけない……と視線をそらす。


 すると、スミレ様の、うきゃっ、という変な声がした。


「キス……禁止にしてもいいですか?」

「え? なんで? 聖夜、いつもキスしてくれるじゃない」


「でも禁止にします。皆さんにもそう伝えます」


 社長……。私に気を使ってくれている。


 だけど、スミレ様の態度が私を傷つけた。


「なにそれ、つまんないのー」と声をあげるとスミレ様までさっさと部屋を出ていってしまった。




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