××倶楽部
私じゃ、ダメなんだ…………
社長を独占しても社長が社長らしくいられなくなってきてるし、マーベラスの女王様たちを誰も納得させられない。
でもリオ様なら、皆が納得して、きっと社長は社長らしく、女王様に振り回され続けながら暖かく見守るような優しい社長で居続けられる。
「社長、わかりました……私ここで仕事は続けたいんですけど、社長とはもう別r…………」
「聖夜ぁああああああ!!!!!」
ひゃっ!?
今度は何!?
社長の部屋の玄関がバーンと派手な音をたてて開くと、知らない男の人の声がした。
ドスドスと廊下を歩く音がして、背の高い男の人が部屋に現れた。
「聖夜ぁああああああ! ごめん、最中だったかぁ! ま、いっか」
「げっ! うわっ、待って!」
社長に外されたカーディガンのボタンをとめている間に、その人は社長にガバッと抱きついた。
「うわぁああっ! はなせ!」
もがく社長の両手を床に押さえつけて、馬乗りになったその人からは、かなりのアルコール臭が漂う。
「聖夜、おまえ可愛いすぎ」
ちゅっ、ちゅっと音がして、社長が男の人に頬にキスされているのを間近で目撃してしまった。
私には、そういうので悶える趣味はないんだけど…………
ああ、なんかこの人、社長みたいにさらさらの髪だし優しそうだし……それにすごくカッコいい……