××倶楽部
「聖夜、聖夜ぁ……本当可愛いなぁ……」
禁断。
男×男……。
生で見ちゃった…………。
あ、なんか今腐女子の気持ちがほんの少し理解できたかも……カッコいい男の人同士が抱き合って仲良くしてる姿に胸がときめかされてる。
社長、ホストクラブのオーナーにも惚れられてたし、男の人にもモテモテだ。
「芽依、見てないで! 助けてくださいっ。この酔っ払い退けて!」
社長のワイシャツの隙間ににその人の細くて綺麗な手が侵入していく。
ああ……すごくいいところなのに、その人は動きを止めた。
「芽依?」
散々社長の柔らかいほっぺたと首筋にキスした男の人がゆらりと私を見る。
「ひぇ……」
ヤバい。目が合っちゃったよ!
「芽依……おのれ、俺の聖夜をたぶらかしたな……」
キャーッ! それだけは勘弁してください!
なんで、ここの人たちって社長をたぶらかすイコール敵なんだろう?
「わ、私ちがいます! って、キャーッ!」
酔っ払いが今度は私に覆い被さってきた。
間近で見ると、すごいイケメン。綺麗な顔だけど……そんな呑気に観察してる場合じゃない。