××倶楽部

 お父様は、なんだアイツ、とボヤいてリオ様とミーナ様を抱き寄せた。

 二人の人気女王様たちの額に次々とキスの雨を降らして、すごく様になっている姿は、流石だ。

 社長の完成版みたいな色気と強烈なフェロモンを撒き散らし、リオ様もミーナ様も完全になついている。



「恋しちゃってるんのよ、聖夜」


「ほんと、あたしたちみたいなイイ女差し置いて何してんだかっ」


 三人は、ヒャハハハ! と笑い出して、近所迷惑レベルな騒音になった。


 ああ、もう! 社長も私も可哀相すぎる。

 真面目な話してたのに!



「聖夜ぁ、酒もってこーい! じゃんじゃん、もってこーい! パパと再会の乾杯をしようじゃないか」


「摩夜さん、聖夜泣きそうよ!」


「聖夜! パパに会えたのがそんなに嬉しいかぁ! 泣け泣けぇ!」

「あ、今度は睨んだわ!」 


「可愛い奴!」


 笑い声の大合唱を聞きながら、ガクンと床に伏せた社長の背中をさすった。


「いつもこうなんですか?」


「ええ……物心ついた頃から、ずっと……」





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