××倶楽部

「うるせぇ……朝から何なんだよ……」


 かすれた声が究極の不機嫌さをアピールさせながら、寝ぼけ眼で私を睨みつけると、何を理解したのか、ああ……、と頷いて私の後頭部を掴み自分の胸に押し当てた。


「まさか覚えてないわけじゃないよな……」


 典の何もつけていない上半身に耳をつけて、ドキンドキンと脈打つ心臓を落ち着かせようと深呼吸する。

 覚えてないわけじゃない…………



 昨日はお風呂にも入ってなかったから家に帰ると、まずシャワーを浴びて、すぐにパジャマに着替えて歯磨きをした。

 
「典は下の和室で寝てよね」って言ったら、おー、とか、ああ、とか、そんな返事がかえってきて、髪も乾かさずに私は自分のベッドに……


 そしたら、「髪くらい乾かせよ」て言いながら同じシャンプーの香りがする典が部屋に入ってきて、タオルで優しく髪を拭いてくれて……


 手がだんだん髪だけじゃないところを触って、やめて、って言ったら唇を塞がれて、この前の続きいい加減待てない……って、で?



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