××倶楽部

 眠いのに、でも典が気持ちよくって……私、全然典を拒まなかった。


 典の手が首筋から背中を滑りおりていく、お尻を撫でられて、完全に思い出す。


 暖かくって、優しくって、甘くとろける典を全部体が覚えてる。普段意地悪な典が、何度も何度も、好きだ、って言ってくれた。


 私の体を気遣ってくれて、ゆっくりと時間をかけて私を解きほぐして一つになった時のこと、はっきりと覚えてる。

 暖かくて沈み込んでいくように典に抱かれて、私何も考えられずに典に体を全部預けた。

 全て終わってからの深い眠り。一晩中抱きしめられていた、この幸福感は、なに?



「芽依……もう俺にしとけよ…………」


 耳をくすぐる典の声に、ん、と身を縮める。私、こんなガードが緩い女なの?


 典の腕の中で好きなように転がされて枕に背を押し付けられ、典のキスを受け入れる。

 抵抗しなきゃ……


「もう一生手放したくない。この体、誰にも触らせたくない。この唇も全部。

 他のものなら何でも諦められるけど、俺……芽依は諦められないから」


 そんなこと言われたら、できないよ……





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