××倶楽部

 典の体重が私にのしかかる。


 わかってた……


 社長か典かを悩んでた。だけど典が全力できたら拒めないことだけは、はっきりとわかってた。


「典ぃ……これじゃ、私二股女だよ……」


「ばーか、最終的に俺のものになれば問題ねーよ。あっちはどう考えるか知らねーけど……大事なのは俺と芽依の気持ちが結びついてることだから」



 典は、余裕綽々にふっと微笑むと両手で頬を包み込んでくれた。



「寝起きの芽依、ヤバい。可愛いすぎ……」


 ちゅっと額にキスが降り、頬から首筋を撫でられて、あ、と声が出てしまう。


 こんな甘い典は、典じゃないみたい。


「待って……やめて、見ないで恥ずかしい」


「もう手遅れ、全部見た」




< 248 / 378 >

この作品をシェア

pagetop