××倶楽部
「やめてよー!! 離して!!!」
だけど、どこかで聞いたことのある声が聞こえてきて、目線はその黒尽くし集団に戻っていった。
「す、スミレ様っ!?」
典の、オイ! という制止を振り切って走る。
す、スミレ様だ!
まさか、誘拐? ストーカーに悩んでたってきいてるし……こんな白昼堂々と誘拐??
「スミレ様!」
「芽依! 助けて!!」
スミレ様はスーツ姿の男たちによって、車の中に押し込められていた。
「聖夜に連絡して! やめてよ! 痛いっ! 芽依、助けて!!」
間に合わない……車はスミレ様を乗せると、バタンと扉を閉じて白い煙を吐きながら急発進した。