××倶楽部
「まさか一緒に行ってくれちゃったりしますか? 父さん」
「やだよ、ヤクザコワいもん俺」
お父様…………っ!?
お父様は、あーよく寝た! と伸びをすると、ふぁああ、と欠伸をして、ん、なにか? と首を傾げた。
社長が、ロールス・ロイスの鍵をとると、いつもみたいな調子でキラキラと微笑む。
「というわけで、僕が行ってきます」
「……まって、私も行きます。社長」
ヤクザコワいけど……そうだよ、冷静に考えて今この現状で、動けるの私しかいないもん。
社長一人じゃ、万が一何かあった時どうにもならなくなる。だったら、足手まといになるかもしれないけど、私が一緒に行ったほうがいい。
「私もマーベラスの一員ですし、それにスミレ様に、助けて、って言われたのに……私…………」
今、一番コワい思いをしてるのはスミレ様だ。