××倶楽部

「芽依は、行かせない」

「典…………」


「行かせるわけないだろ! だから、俺はSM倶楽部なんかで働かれるの嫌だったんだよ! 何かあったらどうするんだ! 行かせるわけないだろ」


 典が怒ってくれるのは、私のことを想ってくれるから。自惚れじゃないよね? 幼なじみとして、それ以上に大切に想われてるから、って信じていいんだよね?


 騙すようなことをしたのも、全部全部私の為だって信じていいんだよね?


「典、ありがと」


 典は驚いたように目を丸くさせた。


「お……おう」


「でもね、私……このマーベラスが大切なんだ。だから、スミレ様を助けに行きたい」


 優柔不断じゃない、天の邪鬼でもない。私は私の意志で、こうしたいって思えたことがしたい。

 だって、リオ様もミーナ様も女王様たちは皆そうやっているから。





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