××倶楽部
「あ、あの……さっき杏仁豆腐ありがとうございました。おいしかったです」
「いいよ、礼なら聖夜に言えよ。さっきは、あたしだけに買ったなんて言ってたけど、あいつ皆の分も買ってたからさ…………」
心なしか、ミーナ様が少し寂しそう。皮の鞭にため息を吐き出した。
「好き……なんですか? 社長のこと……」
「あぁっ?」
ミーナ様の、あぁっ? があまりに迫力満点で、ひゃっ、と肩があがった。
「好きに決まってんだろ? うちの連中は、皆聖夜が好きなんだよ、愛してんだよ! 文句あんのか」
「ないです! 文句なんて滅相もございません!」