××倶楽部

「話は戻りますけど、父たちと飲みにいったあと、僕たちは部屋に帰ってきて芽依をソファーに寝かせました。そしたら、芽依は僕のこと典成くんと間違えてましたよ……」


「えっ!? す、すみません!」


 社長は、いいんです、と笑いながら手を振った。何が可笑しいのか、笑いを噛み締めながら社長の囁きは続く。


「抵抗もしないので、キスをしたら眠り姫みたいに気持ちよさそうに眠るので、そこで僕の謎は完全にとけました」


 な、謎って?


「芽依は嘘をつくような子じゃないのに……どうして処女じゃなかったんだろう……ってね。ずっと気になってました。そういうのって、男はわかるんですよ」





 え、え、えぇええーーーっ!?





「僕も一応男ですから、それなりに色々な女性経験ありますし、リオさんじゃない人ともお付き合いしたことがあるんです。まっさらじゃなくて、すみませんね。

 でも、最初から芽依は僕だけのものじゃなかったんですね。さすがに、そのまま抱く気にはなれませんでした」


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