××倶楽部

「マジで、長かった…………」


 典の長い腕が私の背中にまわる。

 もう何も考えずに、うんとこの胸に甘えていいの?


「典ぃ、好きだよ……」


「ばーか、今更おっせぇーんだよ。俺のほうが、その百倍はおまえが大好きなんだよ!」


「あはは、何その言い方! 嬉しいくせに!」


「嬉しいに決まってる、芽依…………」


 目を閉じると、予想以上に甘くて優しいキス。


「これからも、ずっと一緒にいような」

「うん……」


 典のいない人生なんて考えられない。誰より近くて近すぎてよく見えてなかった。

 これからは、ちゃんと典と向き合ってみよう。

 もしかすると、その結果典は違う人を好きになるかもしれないけど……だけど、今こうして典が私だけを見てくれるなら、私は最初からそれを拒むつもりなんて全然なかった。




 
 
 

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