××倶楽部
社長とリオ様は、まるで引力でひっぱられるように互いに距離を縮める。
「リオさん本当に綺麗ですね」
「あらこれ、聖夜が選んでくれたドレスだもの」
「リオさんが素敵だからですよ」
「聖夜がセンスいいのよ……」
そして唇を合わせた。
どうして、この二人の関係に割って入ろうとしちゃったんだろう私。多分、出会ってすぐのことだったから社長とリオ様を全然理解できてなかったからだ。
今は、嫉妬もなく、それを当然のように見られるようになった。
ああ、でも見てたら仕事終わらなくなっちゃう。
「メリークリスマス、聖夜。今夜は二人で過ごしましょう」
「そうですね、去年も同じ手口で期待させといて僕との約束忘れて、飲みに行っちゃいましたよね。リオさんは」
「あら、そうだった? じゃあお詫びに今夜はメアリーちゃんも一緒に過ごしましょうか」
「遠慮します」
「遠慮しなくていいのに……聖夜、愛してる」
誰にも邪魔できないオーラを放ちながら、二人の世界にトリップしてしまう社長とリオ様。
スミレ様は、もういいよー、と臍を曲げてスタッフルームを出ていってしまう。
この二人の関係は未だにどうしても理解できない点が一つある。
それはリオ様は社長を愛してると言うのに、社長に拘束されることが嫌みたいだし、社長は社長で自分が理想としている将来のパートナーにリオ様は相応しくないと言う。