××倶楽部
─────「SM倶楽部ーっ!?」
「静かに! 典、声が大きいよ!」
二日目を終えた私は、飲み友達兼幼なじみの典成(のりしげ)と家から近い居酒屋に集合した。
典成とは、幼稚園、小学校、中学校と同じ学校に通い、高校からは典成は男子校、私は女子校とお互い別々の道を歩んだ。今ではこうして週に一回程度集合して互いの近況報告をする。
大手家電量販店に就職した典は着慣れないスーツを窮屈そうに着て、似合わないビールを飲むと、信じられねー、と呆れた声をだす。
「それって就職詐欺じゃねーの? だってそのクサハラて社長は、飲食店だって言ったんだろ?」
「うん、でもお酒とオツマミみたいのを出すから一応衛生管理責任者みたいなやつあるでしょ、それを保健所に届け出していて飲食店での許可がおりてるみたい」
「ばっか、儲ける比率が違うだろ! 酒とツマミでいくらとってるんだか知らねーけど、サービスのほうが絶対高いだろ? そういうの飲食店て言わねーよ」
「あ、やっぱりそうなんだ……」