××倶楽部
パズルのピースがぴたりと合わさるように、私と典の体が寄り添う。
はじめから、一ミリの隙間もできないようにと造られたんじゃないかというくらいに、ぴったりだ。
「芽依……今すごく欲情した顔してる。こんな顔させられるの俺だけだ。この表情を独り占めできるのも俺だけだ」
「ばか……」
多分、典の言うことは本当のこと。
だけど、私は多分SM倶楽部であの人たちに出会わなかったら気がつかなかったかもしれない。
自分が典を好きだって気持ちに……
浅いキスを繰り返しながら、典は私の服を一枚一枚丁寧に脱がしていく。
それを嬉々と受け入れる私。
暖房がききはじめた部屋だけど、全身に鳥肌がたつ。ぞくぞくと背筋を駆け抜けるもの……それは寒気じゃなくてただの快楽。体全部が典に触れられて喜んでいる。
やっぱり典って凄い。
服を全部脱いで、二人でベッドに潜り込んだ。ため息を吐き出したのは、幸せすぎて体が幸せでパンクしそうだから……
「典……あったかい……」
熱い体。久々の典の香り、首筋に鼻先をつけて、すーっと吸い込む。
「ここまで我慢した俺、許してくれる?」
「うーん、どうしよっかなぁ」
典がむっとした顔で、噛みつくみたいなキスをしてくる。最初はふざけて、笑っていれたけど、だんだん気持ちよくなって笑い声が厭らしい声にかわる。
典は全部知ってる。
私が気持ちよくなるところ。探さなくたって、全部知ってるみたいだ。