××倶楽部

 舌と舌、唾液と唾液が全部むちゃくちゃに混ざりあって、はあ……と甘い声が出た。

 見慣れた天井を典の肩越しに見上げる。


「芽依……ヤバい、これ以上無理……はやく許して……」


 懇願の声。とっくに許してるなんて言えないから、私は典の背中に腕をまわした。


「典……好きだよ……」

「最初の時も聞いたよ……それ。久々だと痛いかもな、二度目の脱バージン」


 え、うそっ? 最初の時って、なんで?


「……っあん!」


 だけど、典が優しく溶きほぐしてくれた体はあっさりと典を迎えいれた。

 優しい指先、それに大好きな甘い眼差し。



「今夜は寝ないで何回もコースだな……そうじゃないと芽依を満足させられない」

「うそ、やだ! 満足するよ…………っんん!」


「男の恥だろ? ……触らしてくれなくなって、本当に辛すぎた」


 私が痛みを感じてないのを確認しながら、典はゆっくりと動く。



< 316 / 378 >

この作品をシェア

pagetop