××倶楽部

「芽依、すげぇ……やらしい顔、意識失うなよ。まだまだ、これからだからな」

「……っひゃ??」


 抱き上げられて、典の肩にしがみついた。典は白い歯をみせて笑う。

 全然、余裕がない私に対して典は余裕がありすぎる。


「やだやだぁ、何これ……私、初心者なんだから手加減してよっ!」


「俺も初心者だよ……」


 耳たぶを甘噛みされて、脳から背骨に電流が走った。弓なりになった腰を典はしっかりと支えて甘い吐息を吐く。


「俺は、芽依以外経験ない」

「う、嘘……………」


 だって、典いっぱい彼女いたじゃん。色んな女の子に告白されてたじゃん。

 
「だから、数えられるくらいしか経験ないよ」

「か……数えられるって、最初の一回以外にもあるってことなのっ!?」



 奥の奥を刺激されて、っく、と声にならない声がでる。


「だって、おまえ……油断しすぎだから。いつも心配ばかりしてた。あ、でも付き合ってからは何もしてないからな。普通逆だろ? ひでぇーな」


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