××倶楽部
体の中も、耳の奥も、肌も全部全部典に支配されて、私はただ受け身しかできない。
「だから、芽依! だめだ意識失うなっての! この前は寝ぼけてたし」
「だって……あっ! あぁ!」
こんなに気持ち良くなっちゃうのは、無意識に開発されてたから?
それとも典だから?
「それなのに八ヶ月お預けさせるなんて……芽依って相当なサドだよな? 仕返し、楽しみにしてろよ……」
それまでにないくらいの乱暴さと、優しさの混沌な扱いに、ごめん、とか、許して、としか言葉がでてこない。
それでも、これも愛情だ、なんて体と頭でわかってしまうのは、やっぱり幼なじみの典だからかもしれない。
「でも、少し乱暴なくらいのほうが感じるんだな? やっぱマゾか?」
「そんなの今決めなくていいじゃんっ! あぁっ! 典、それおかしくなっちゃう!」
「それもそうだな、ま、SもMもコインの裏表みたいなものなのかもしれない……人はどっちにでもなれる」
社長とは違う考え方だ……。典の前では、どっちになってもいいんだ…………。