××倶楽部

『ぷ! ぷるぷるクリスマススペシャル大作戦! 美少女戦士は聖なる夜も地球を守る!!』


「なっ?」


 隣の部屋から壁越しにテレビの大音量が聞こえてくる。

 キターーーッ! 雅チャン! というアキ兄の雄叫びにあわせて、芽依がパチッと目を開いた。


「もう、寒いっ! はやくパジャマだしてよ典!」


「ぐぇっ!」

 鳩尾に芽依の膝がめり込んできて、火照りも焦りも快感も一気に消えてなくなった。

 ベッドの下に蹴り飛ばされ俺は無残な姿で倒れた。芽依は布団を抱えて、もう! と悪態をついてから、そのままスースーと寝息を響かせた。



 なっ? なんだ?


『クリスマスに地球を滅亡させる気? そんなの、雅が絶対許さなぁい!!!』


 何が起こったか理解できない俺はしばらく放心状態。


『卑怯よ! 酔った人を無理矢理洗脳するなんて!』


 洗脳はしてねーよ。


『同じことじゃない、この悪者め! 必殺ぷるぷるキック!』


 悪いのは、俺か?


 
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