××倶楽部
後頭部で癖のある髪を寝癖でさらに大爆発させたような髪型のアキ兄が朝食の席につくと、ふぁあ、と大きな欠伸をした。
おばさんはアキ兄のトーストを指差すと、洗濯物干してくるわ、と席を立つ。
「お兄ちゃん、良かったね。人類は滅亡しなかったね」
うむ、と頷いてカフェオレにふうふうと息を吹きかけると、アキ兄のメガネが一気に白く曇る。
「ところで、おまえら、昨日俺が雅ちゃんと地球の危機を救っている間に、隣の部屋で何してた?」
ギクッ! ギクギクッ!
真っ白なメガネの奥から見えない責めの視線をかんじて、俺は思いっきり視線を逸らしてしまう。
「長年の経験上、典が俺の目を見ないのは、実に怪しいな……」
ヤバい……。向こうのテレビの音が聞こえてきたってことは、こっちの声も聞こえてるわけじゃん!