××倶楽部

「私?」

「知らないふりして、僕がどれだけ独占欲が強いかわかっているんでしょう? 愛するなら、僕も愛されたい。一番に必要とされたい」 


 形勢逆転。次に枕へと沈み込むのは私。


「愛してるって何度も言ってるわ」

「それなら、お客様としてだけじゃなくて侍らせてる男たちを処分してきてくださいよ」

「嫌よ、せっかくいい感じに調教してあるのに……」


「話し合いになりませんね……」


 聖夜の噛みつくようなキスを全身で受けて、その汗ばんだ肌に爪をたてる。

 脚の自由を奪われて、聖夜は目を細めて微笑む。


「大人しく僕だけの女王様でいてくれればいいのに……」


 黒なのか、白なのか……聖夜は、きっと黒を白いペンキで塗り替えた男なんだと思う。


 こういう聖夜を作り上げてしまったのは間違いなく、この私で……


 そして、そんな聖夜に寒くもないのに背筋が震えた。



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