××倶楽部

「してみたいの?」


 こくんと、小さく頷いた可愛すぎる聖夜の髪に指を絡めて悩むふりをする。


「でも、キスって特別なものだもの。私は聖夜の特別…………っ?」


 話をし終わる前に、聖夜に唇を奪われる。可愛い顔して、強引なのは父親譲りなのかもしれない。


「リオさん……もっとしていい?」

「いいよ」


 夢中で私の唇を貪る聖夜。好きにさせてみた。


「でも、優しくしてね」


 うん、と頷く聖夜。薄く開いた唇に絡み合う舌と舌に全身がそばだっていく。

 本当は私も生まれて初めてのキスだった。それを聖夜に知られたくなくて、わざと平静を装う。

 
 聖夜は苦しそうに呼吸を整えると、リオさん、と真面目な顔をする。


「どうしたの?」


 聖夜が、ふう、とため息を落とす。それが首筋にあたり、体がびくんと反応した。


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