××倶楽部

 聖夜は、もっと、を望んでる。

 自分から聖夜をベッドへと誘導した。本当は私も全部はじめてで、何をどうしたらいいのかわからなかった。

 今思うと、私も聖夜もはじめてで、幼稚でつまらないセックスをした。


 だけど、当時の私たちには、それは百点満点の素晴らしく愛に溢れたセックスだった。



────広すぎる聖夜の部屋。ファンが回る高い天井を見つめながら、隣で心地良さそうに寝息をたてている聖夜の肩に頬をよせる。



 当時の私は、聖夜の家はお金持ちだ、くらいにしか考えてなかった。私の家は、父はサラリーマンで母も働いていたけど普通の中流の家庭で、聖夜の家はそれより遥かにいい暮らしをしている。



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