××倶楽部

「聖夜、あとはよろしくね」


 リオさんは社長の胸元に可憐に頬を寄せると、社長はとても大切そうにリオさんの腰に手を回した。


「いつもありがとうございます。リオさん」

 
 聖夜のためだもの、いえリオさんは素晴らしい方です、聖夜がいるからよ、僕のような男はアナタに平伏すことしかできませんよ、そんなことないわ……聖夜愛してるわ……



「あのぅ、スミレ様はどうしたら?」


 目の前で繰り広げられるリアルメロドラマな甘いラブシーンに突っ込みをいれるのも失礼かと思ったけど、ほっとけば永遠と続きそうだ。


「ああ、スミレさんの説得をつづけましょう!」


 社長は咳払いして眼鏡を指で押し上げると、真面目な顔をしてスミレ様の部屋のドアを叩く。



「スミレさん、もう僕と町田さんしかいませんよー。鍵を開けてくださーい」


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