××倶楽部
あああ! もう、恥ずかしい。顔から火が出て、穴があったら入りたいくらい恥ずかしい。
やだ、呆れられたよね。この年でキスもしたことないなんて……しかも、この秘密、典しか知らないのに……
社長はカタンと椅子を慣らせて立ち上がる。私より、十センチくらい高い身長。あっという間に見下ろされる。
「忘れてください。変なこと口走ってスミマセン。あの、仕事しますね……」
両手をバッバッとクロスさせながら後ずさりした。もう社長の顔直視できないよー。
「それ以上後ろ下がると危ないですよ」
手首を掴まれて、引き寄せられる。少なからずドキドキが増大した。