××倶楽部

「前向きな町田さんが、僕は好きです」


 す、好きって言われた……


「わ、わ、私も社長が好きです……」


 思いあまって……まさかの告白しちゃったよ。うわ、もう社長の顔をまともにみれない。


「じゃあ、両思いですね。力仕事までさせて、すみません」

「いえ、私テニス部だったから腕力はあるんです……」



 な、なにこれ……けっこう、いいかんじ?


 この恋は進展するのかな?


 ううん、でも女王様たちも、みんな皆社長が好きなわけだし、社長の“好き”だって私だけを“好き”なわけの“好き”じゃない。

 でも……好きって言われると素直に嬉しいな。男友達なんて典しかいなかったし、男って典みたいに口が悪くて態度がXLサイズなのかと思っていた。


「梯子は危ないから僕がのぼりますよ」と言いながら慣れた足取りですいすい梯子をのぼっちゃうとことか、「無理しないでくださいね。怪我されたら困ります」と気づかってくれるとことか……ああ、やっぱり好きだ。



 社長は取り外したリオ様の顔写真を目を細めて、そっと優しく見つめた。


< 76 / 378 >

この作品をシェア

pagetop