××倶楽部

「あたしが、ナンバーワン……」


「マーベラスのナンバーワン女王様はミーナさんです」


 社長が誇らしげに言うと、ミーナ様はうわぁんと泣き声をあげながら社長に抱きついた。

 ミーナ様嬉しいんだ。嬉しそうにして社長にだきつくミーナ様は、いつになく可愛く見える。


「なあ、ナンバーワンになったら聖夜の部屋に泊まりにいくって約束守ってくれるよな? な? 聖夜」


「そうですね。約束ですから、いいですよ」

 社長は子どもを誉める親のように少し誇らしげに、だけど嬉しそうにしてミーナ様の頭を撫でた。

 頭を撫でるのって社長からのスキンシップの代名詞なんだろうな。私は、まだ二回しか撫でられたことないけど……猫みたいに撫でられてるミーナ様が少し羨ましい。



 他の女王様たちも続々と出勤されて、みんなミーナ様に、おめでとう、と声をかけてはしゃいでいく。

 ここがSM倶楽部なんてことを忘れさせる。例えば、高校の教室でテストでいい点をとったクラスメートをみんなで褒めてる。それくらい和気あいあいとしたお祝いムードだ。


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