××倶楽部


────「マジで……リオと聖夜が?」


「はい、顔色悪くて。でも、社長がついてますし大丈夫だと思います」


「そりゃ、聖夜がいれば大丈夫だよ。でも今日は聖夜の部屋に泊まりに行く約束したのに……くそったれ、リオめ、口ではあんなこと言ってやっぱり……」


 ハードな接客スケジュールをこなしたミーナ様がスタッフルームのソファの上で意気消沈して座り込んだ。

 営業時間の深夜二時は過ぎていて、帰り仕度をおえたミーナ様は普段着のヒョウ柄チュニックにジーンズのミニスカート姿。


 私も普段の勤務時間は過ぎていたけど、社長が戻ってこないし、仕事は沢山あるから帰るタイミングを逃してしまった。



「レイラ様、リオ様と同じ部屋にいたんですよね? どんな様子でしたか?」


「はあ、知らないよ。リオさんは客の前じゃいつも通りだった。それより大事なのことは、今日の接客分は私の客として給料貰えるんだろーな?」


 レイラ様に睨まれて、はい多分……と答える。レイラ様は、あっそ、ならよかった。と答えて、薄情にも手をひらひら振りながら帰っていった。



「あいつ、マジ気にくわねー!」


 ミーナ様がゴミ箱をばこんと蹴るから中身が散乱して、私の仕事が増えた。







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