××倶楽部

「ミーナ様、リオ様は大丈夫ですよー。社長も約束を忘れた訳じゃないだろうし、今日は帰りましょう。うちの大切なナンバーワン女王様なんですから、ゆっくりやすんでください」



 社長の真似して明るく言ってみたけど、社長の部屋にお泊まりできないミーナ様は私の予想以上に傷ついているらしい。



「聖夜はさ……いつも、何だかんだ言いながらもリオが一番なんだよ……」


「ミーナ様……」


「聖夜にとってリオは特別だ。それはリオがここのナンバーワンだからだと思ってた。だから、あたしもナンバーワンになってやろう! そうやって気合いいれてやってきたのにさ…………関係ないんだな。

 リオは店のこととか、そんなの関係なしに、聖夜の特別なんだ」


 普段のミーナ様からは想像もできないくらいに弱々しい声。肩が落ちて、綺麗な細い眉をハの字にさせた。

 ああ、やっぱり恋すると誰でもこうなっちゃうんだ……あの自信と美貌に満ち溢れたヤンチャなミーナ様ですら恋に肩を落とすんだ。


 
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