××倶楽部

「聖夜とリオって、幼なじみなんだってさ。芽依、知ってた?」


「いえ、幼なじみってことは知りませんでした……」


────僕のファーストキスは十四の時にリオさんに奪われました。



 あの時の社長の言葉が頭の中をぐるぐると回る。

 幼なじみ……私と典と同じような関係。何でも話あえて、お互いの家族を知ってて、気軽に家を行き来したりもする。それでいて、十四歳でキスをして……そのまま…………


 私は典とキスしたこともなければ、しようと思ったことすらないけど、社長とリオ様の関係の深さを考えると私も目の前のミーナ様のように眉がハの字になってしまう。



「リオはさ、聖夜は皆に優しいからそんなとこも好きだって、よく言うんだよ。あたしは、自分だけ特別扱いして欲しくて必死なのにサラリとそう言うリオにムカついた。

 その時点で負けてるんだ。マーベラスのナンバーワンになりたいわけじゃない。聖夜のナンバーワンになりたかった……」





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