[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
呆気を取られているうちに、彼女はどんどんお酒を体内に入れ込む。
……そして
そのままぐでってしまった。
「ちょっと安田さん、大丈夫!?」
身体を揺すってみるが、どうも起きない。
さらに厄介なのが、家を知らないことだ。
……仕方ない。
私は彼女を我が家まで、連れていった。
ほんと、タクシーに乗せるのだけでも一苦労だ。
そして家に着くと、彼女を部屋まで運び、私もそのまま眠りについた。
目が覚めたのは、土曜日の午後3時だった。
隣では、まだ安田さんは眠っている。
重いからだを起こし、シャワーを浴びる。
そして部屋に戻ると、安田さんが、丁度目を覚ましたときだった。
頭が痛いのか、そこを押さえている。
「大丈夫?」
彼女に近付くと、
「ビックリしましたー。
まさか、男の人に連れ込まれたのかと思いました」
なんて言っている。
「私と一緒だったのに、そんなわけないでしょ」
そう言いながら、いつものように障子を開け放ち、縁側に出る。
すると
「彌さん」
ゴンさんが現れた。
「あ、ゴンさん」
「お仕事お疲れ様です。」
ニコッと笑い、縁側に座る彼を見ていたその時。