[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
「随分適当な手紙ですね」
ゴンさんが手にしているのは、同窓会のお知らせ、というやつだ。
「なんか、高校のときから毎年やっていて、段々と適当になったんです」
学級委員長なんて、連絡先知らなかったら、どうするのよ…。
実際は、そんな心配もいらないほど、私たちのクラスは仲が良い。
「では、来週の土曜日は、彌さんは居ないということですね?」
「はい、だからゴンさんとは6日間も会えないんです…」
幽霊と分かって、もう来てくれないかと思ったが、さすがゴンさん。
変わらず、毎週土日は来てくれている。
それが私には嬉しい。
「おやおや、本当に彌さんは、僕のことが大好きなんですね?」
畳でお互い寝転んでいたのに、彼は私を上から見下ろしている。
「…え?」
「1日会えないだけで、そんなに寂しいのでしょう?」
ニヤリと笑う彼から、私は目を逸らした。
顔が熱くて仕方ない。
「くすっ。
僕は、そういう素直な反応をされると、いじめたくなります」
すっと頬を撫でられ、さらに紅潮する。
私は、その手を払い、引き下がる形で起き上がった。
「かっからかわないで下さい///」