[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】




お酒も回り、皆気持ち良くなってきたころ。



ある女子が、急に大声を出した。



「はい、ちゅーもーっく!」



明らかに、呂律が回らない彼女の顔は、真っ赤になっている。



どうした?と、口々に言うと、彼女は、学級委員長を見た。



「あんたぁ、らんで今日、同窓会らんて、開いたのよ!」



その言葉に、皆が一斉にヒソヒソ話を始める。



……なに?



なんか、「ちょっと罰当たりよね」とか、聞こえるんだけど…。




「今日は、らんの日か、忘れてないわよねぇ!」




そう言うと、ぽろぽろと泣き出す彼女。



そんな彼女を支えるのは、その親友たち。




「本当は、悩んだんだ」



すると、いきなり委員長が話し出す。



「今日は、皆でお墓参りの方がいいのかもしれないって。

でもあいつ、俺らの笑顔だいすきだったじゃん!

なにより、笑ってることが1番好きだったじゃん」




委員長の言葉にどんどん泣き出す皆。



私はその理由が、分からない。



なんだか嫌な予感がした。



「大夢(ひろむ)のためにも、俺達は、笑顔で生きなきゃいけないんだよ…」



大夢という名前を聞いた瞬間だった。



激しい頭痛に襲われ、その場に座り込む。




< 27 / 39 >

この作品をシェア

pagetop