[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
お酒も回り、皆気持ち良くなってきたころ。
ある女子が、急に大声を出した。
「はい、ちゅーもーっく!」
明らかに、呂律が回らない彼女の顔は、真っ赤になっている。
どうした?と、口々に言うと、彼女は、学級委員長を見た。
「あんたぁ、らんで今日、同窓会らんて、開いたのよ!」
その言葉に、皆が一斉にヒソヒソ話を始める。
……なに?
なんか、「ちょっと罰当たりよね」とか、聞こえるんだけど…。
「今日は、らんの日か、忘れてないわよねぇ!」
そう言うと、ぽろぽろと泣き出す彼女。
そんな彼女を支えるのは、その親友たち。
「本当は、悩んだんだ」
すると、いきなり委員長が話し出す。
「今日は、皆でお墓参りの方がいいのかもしれないって。
でもあいつ、俺らの笑顔だいすきだったじゃん!
なにより、笑ってることが1番好きだったじゃん」
委員長の言葉にどんどん泣き出す皆。
私はその理由が、分からない。
なんだか嫌な予感がした。
「大夢(ひろむ)のためにも、俺達は、笑顔で生きなきゃいけないんだよ…」
大夢という名前を聞いた瞬間だった。
激しい頭痛に襲われ、その場に座り込む。