[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
そんな私を、近くにいた淳平が支えてくれる。
「おい、どうした?!」
頭を押さえ、必死にもがく。
何かが頭をよぎる。
でも…、
嫌。思い出したくない!!!
なぜかそう思う自分がいた。
「彌!?」
「彌ちゃん?!」
皆が私の回りに集まる。
……なに?
何が、起きてるの?!
すると、私は急に立ち上がらされた。
目を開けると、そこには医者になる子。
「彌、まさか大夢のこと、忘れてたの…?」
私は、その言葉に、 嫌、いや、と首を振る。
私、大夢くんなんて…
知らない。そう思おうとした、その瞬間、映像が脳裏をよぎった。
私が、男の子に傘を差し出して、一緒に帰る映像。
私は、その男の子のことが好きだった。
私、あの子を見たことがある。
……ゴンさん。