[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
「女の子が、昼間からグータラなんて、みっともないでしょう?
貴女はもう25歳なのよ?」
「お母さん、まだ25歳よ。
50歳で死ぬとしても、あと半分あるわ」
そうぼやき、再び仰向けになる。
そんな私を、母はただ心配そうに見つめ、どこかへ消えた。
母は少しばかり心配性過ぎなのだ。
そうしているうちに、瞼が落ち、私は眠りに着いた。
***
少し、懐かしい夢を見た。
小学校低学年の頃だ。
私は、誰か男の子と話していた。
何かは分からない。
ただ、その頃の私は、とても嬉しそうに笑っていた。
ゆっくりと瞼を上げると、視界いっぱいに広がる顔。
「…………え?」
驚きのあまり、叫ぶことすら困難だ。
そんな私を面白そうに見つめる瞳は、とても澄んでいる。
そして顔が離れて、ようやく目に映っていたのが、男だと気付いた。
「クスクス。
ビックリした?」
彼は、余りにも可愛すぎる笑顔を見せる。
「……はい」
私は、何が起きたのか分からず、辺りを見渡す。
すっかり夕方にはなっているが、ココは家だ。
「何勝手に上がってるんですか」