[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
第5話
甦る記憶
家に帰ると、私はアルバムを引っ張り出す。
そして、矢澤大夢の写真を見る。
そう、この顔だ。
大夢とは、小学校からずっとクラスが一緒で、1番仲良しな男子だった。
それと同時に、私は大夢に恋をしていたのだ。
でも意気地無しの私が、告白なんて、出来るわけもなかった。
だから、この関係が一生続けばいいって。
一生仲良く、笑いあっていれれば、それでいいって思っていたのに。
彼は、高校1年の秋。
この世を去った。
事故だった。
高校も同じだった私たちは、相変わらず仲良しで。
よく、愚痴をきいて貰っていた。
周囲からは、付き合ってるんでしょ?とか、よく言われていた。
事故が起きたあの日、大夢は、私の所に来ようとしていた。
私が父親に凄い怒られて、泣きながら電話した後、彼が来てくれることになって。
だが、彼が来ることはなかった。
彼は、私のせいで死んだのだ。
「ゴメン、大夢…。本当に、ゴメン…なさい」
私は布団の中で、一人泣きつづけた。