[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
「彌、思い出したの?」
…懐かしい。
彼の言葉は、私を優しく包み込んでくれる。
「ごめん…。今まで忘れてて。
ごめんね…、逃げて」
そう言うと、彼は優しく私の頭を撫でる。
「何言ってんの?
忘れてしまいたいほど、僕の死を悔やんでくれるなんて、嬉しいよ」
ニコッと笑う大夢は、9年前と何も変わっていなくて。
「でも、大夢は私のせいで、死んだのよ?!
大夢は、私が憎いでしょ!?」
すると彼は、私をぎゅっと抱き込む。
幽霊なんて嘘。
こんなに、力があるのに…。
「僕が死んだのは…」
私、あなたを殺してしまった。