[完]初恋の人は死んでいた?!【短編】
最終話
愛する者へ
「彌、僕が死んだのは、僕の不注意だよ」
「嘘!
それだって、私が連絡しなければっ」
そこまで言って、彼が人差し指を私の唇に当てた。
「それ以上言わないで。
僕は、彌のせいだなんて、言いたくもないし、彌のせいなわけない」
その優しい瞳が、ふにゃっと潰れ、笑顔を見せてくれる。
その瞬間、私の中で、何かが弾けた。
「大夢―…。
なんで、死んだのよー…」
涙は、枯れることを知らない。
どんどん溢れる涙は、頬を濡らし、視界を歪める。
おかげで、大夢の顔が、よく見えない。
「彌。今まで苦しめて、ごめんな。
でも俺、どうしても、彌に言いたかったことがあるんだ」
大夢は、私の涙を拭いてくれるが、一向に涙は消えない。
そんな私にくすっと笑い、そして深呼吸する彼。