あたしをいじめて何か良いことあるんですか?
「真由・・・今日、拓くんとデートなんじゃないの?」
「え?あ、あ~・・・大丈夫だよ。明日になったからっ」
耳たぶを触りながらそう言う真由。
ウソばっかし。
真由はウソをつく時、耳たぶに触れる癖がある。
本人は気づいてないみたいだけどっ。
「連絡してないでしょ。待たせてるんじゃない?あたしのことはいいから、拓くんの所に行って?ねっ」
真由に気を使わせたくなかったし、拓くんにも迷惑をかけたくなかった。
カバンを持って帰ろうとする、と。
「だーめっ!!今は唯の方が大事だもんっ。それに拓なら話せばわかってくれると思うし・・・。私たちの仲は、1回のデートの中止でどうにかなるわけじゃないし」
それに、甘いもの食べたかったしっ、とウインクする真由。