あたしをいじめて何か良いことあるんですか?
________________そして、今に至る。
あの悪夢のような一日からあたしは小田原慶牙の「女」になった。
いやいやっ!!OKした記憶はないっっ!
ないはずなのに、小田原君には「唯ちゃん」なんてフレンドリーに呼ばれちゃうし、女子からは嫌がらせされるし・・・・・。
今だって・・・
「唯ちゃん、おはよーってば!!もう無視しないでよぉ、泣いちゃうよ?」
「どうぞ、御勝手に。それに『唯ちゃん』って呼ばなければ、無視なんてしないから。」
「んー、それは無理かな。だって彼女だし?」
あたしはこっそり溜息をついた。
ここ毎日の朝の会話はこれだ。
あたしがどんなに名前で呼ぶなと言っても、聞く耳を持たない。
更にはクラスの中心であたしの事を「彼女だ」と大声で公表するのだ。