あたしをいじめて何か良いことあるんですか?
「・・・っ」
言葉を発しながら、一歩一歩近づいてくる前島さんに、あたしは声を発することさえ出来なくなっていた。
「何で、日向野先輩はこんな簡単な事さえも理解できないんでしょうねぇー?」
「・・・・・・」
「これだから、バカは困るんですよ~」
前島さんの言葉と、まわりの女子の笑い声に、あたしの喉は焼けつくような痛みを覚える。
苦しい。
悲しい。
悔しい。
いろんな思いが入り混じった感情に涙が滲んでくる。