永遠〜あなたに会えて幸せでした〜《実話》
「それではこれから担当させて頂きます大塚です。お願いします・・・」


大塚さんかぁ・・・

『お願いします』


「お若いのに自分で高額な車を買うなんて凄いですよね!」

『そうですか?今までも自分で全てやってきてるから凄いとか言われてもねぇ。当たり前ですよ!』


「ちょっと似てますねぇ。僕は親父がどうしょもなかったから若い頃はがむしゃらに働きましたよ、弟のために」


莉亜はその言葉に驚いた。
『じゃあ大変でしたね』


「さっき当たり前って言ったの凄くわかりますよ。誰かの為にやってるって感覚じゃないですもんね。必死でしたし・・・」


まださっきあったばかりのしかもこんな小娘の莉亜に大塚さんはそんな話をしてくれた


嫌味のない柔らかい口調で・・・


商談を進めながら莉亜は車を買おうと思ったきっかけを話した。


大塚さんはきっと同情だろうけど莉亜の新たな出発を応援したいといってくれた

見積もりの金額も納得してすぐに契約をした。


金額は消して安くはない。21才に高い車を買うことで自分に自信をつけたかったし、莉亜の第一歩として大きな心の支えになる事を信じてこの車を選んだ。
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