く ち び る
嗚呼、私は何をしているんだろう。
ペース狂わされっぱなしで腹が立つ。自分に呆れるわ。
結局ヤツの思惑通りになっているし。
女の子たちも、
――私も。
こんなふわふわした思考の軽薄そうなヤツだけど、観察眼だけは大したもので、
私の趣味嗜好を目ざとく見つけては、くすぐりを入れて、一緒に帰る羽目に陥らせる。
「……本屋までだからね」
念を押したけど、きいてたかどうか。
「ねぇねぇ、ちーづ」
「なによ」
「ちづって彼氏つくんないの?
ってか友達つくんないの?」
余計なお世話。
っていうか後者の原因の一端は確実にお前だと言ってやりたい。
「オレなんかオススメだけど」
「…………は?」