く ち び る


6時間の憂鬱な授業が終わり、みんなそれぞれ動き出す

帰宅する人
バイトに行く人
残って勉強する人


私は部活に行く人



夕日を廊下から眺めながら
4階にある部室を目指す


「今日は碓氷先輩起きてるかな」


まだ誰かいるかもしれない廊下で私は小さく呟いた

これはいつもの事で、もう口癖みたいなもの


私が所属している部活は天文部
(部というよりは同好会)


部員数は
3年が3人
2年が1人
1年が私を含めて3人

まあ、実際は3年が引退して、1年の私以外の子は1ヶ月に一回くらいしか来ないから、私と2年の碓氷先輩と2人だけだ。


うちの部活は大会とかを目指しているわけじゃなく、ただの趣味の集まり


だから活動日は毎日だけれど、
来なくても問題はない



ただ私と碓氷先輩は例外で
ほぼ毎日部室に通っている


碓氷先輩は睡眠と読書のため
私は碓氷先輩を見るため



自分でも理由が不純なのは分かっている

でも私は、碓氷先輩が好きで
それは勿論、恋愛感情の好き

学年が違うから毎日会うには部活に行くしかなかい



まあ、碓氷先輩には彼女がいるから私の一方的な片思いだけれど。


それでも碓氷先輩が好きで、毎日通っている



だから私は今日も部室へと足を運ぶ


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