く ち び る


「スズ今度誕生日なんだけど、何あげればいいと思う?」


「プレゼント、ですか?」


「うん」



それはあまり見せない愛おしいそうな顔


スズとは先輩の彼女、らしい
先輩に直接聞いた訳じゃないけど、なんとなく分かる

だってスズさんの話をしているときの先輩は凄く幸せそうだから



「やっぱり、相手が一番欲しいものじゃないですか?」


「スズの欲しい物かー」


「食べ物とかもありだと思いますけど、形の残るものの方がいいと思いますよ」



真剣で、でも何処か嬉しそうな顔をする先輩

いいな、こんなに思ってもらえて‥


「うーん、もう少し考えてみるけど‥もし決まんなかったら、一緒に買い物行かねーか?」


「いいですよ、
‥えぇ!?一緒にですか?!」


ぼーっとしていた私は突然の質問に椅子から落ちそうになった

一緒にって事は‥2人だよね、
デート?

で、でも先輩にはスズさんがいるし‥



「本当は友達と行くはずだったんだけどさ、やっぱりこういうのって、女の子の方が詳しいだろ?
だからお願いしたかったんだけど、やっぱり無理だよな?」


「いいえ!是非一緒に行かせてください!」


「本当か!
じゃあ来週の日曜日な」



理由は何であれ、
先輩と2人で出掛けられるってだけで心が躍った


日曜日まであと4日

服も髪もお肌の手入れも
いつも以上に頑張らなきゃ!



「宮間が付きあってくれて本当に助かるよ」

「いえ、気にしないでください
スズさんが喜ぶモノ、選びましょうね?」

「おう!」



あぁ、やっぱり幸せそうだな
スズさんにはきっと勝てない


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