く ち び る


「へー」


先輩は笑わずに優しく見守るように聞いていた


今更ながら、この理由凄く子供じみてない?

こんな恥ずかしい話しなきゃ良かった‥



「あの、」

「何?」

「子供っぽいですよね‥」



また先輩の顔が見れない。

唯一見える唇は優しく微笑んでいるように見えた


「そんな事ねえよ、良いと思うけどな?
俺はプラネタリウム観に行ってから星を好きになったんだ。

理由なんて人それぞれなんだから、その先に星が好きっていう思いがありゃあいいんだよ」



馬鹿にされると思ってた

子供じみてるし、
星を見た理由だってたまたま

だからそんな風に言って貰えるのは嬉しかった



「もうこんな時間か
今日は七時間だったもんなー」


少しボーっとしていたら、チャイムがなり時計を見ると6時前だった


「私、そろそろ帰ります」

「あ、もし入る気になったらいつでも来いよ?」



また優しく微笑まれる


「はい」



まだ、先輩との2人は慣れないけど、でもさっきよりは気まずいと感じない


むしろ、ほんの少しだけ
落ち着くような気がした

この人とならもし部活に入ってもやっていけるかもしれない


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